朝起きて、顔を洗って、着替えて。
一通りの流れはこなしてるのに、体が妙に重たい。
「眠いからかな」なんて思いながら出かけたけど、どうにもスイッチが入らない。
こんな日は、前からたまにありました。
でも最近、その頻度が増えてきた気がする。
大きな悩みもないし、仕事も忙しすぎるってほどじゃない。
それなのに、どこか心も体も鈍い感じ。
ちゃんと動いてはいるのに、奥のほうで「本当は止まってる」ような感じ。
最初は、自分がサボってるだけだと思ってました。
でも、ある時ふと、
「これは不調じゃなくて、無視してたサインかもしれない」って
あの朝、なぜか「空がやけに青く見えた」
その日は、目覚ましより少し早く目が覚めた。
いつもならスマホを手にするところ、なんとなく窓を開けた。
空が、やけに青かった。
風の音が、聞こえた気がした。
普段なら見落としてた景色に、ふと立ち止まったその瞬間、
「あれ?最近、こういうの感じてなかったな」って思った。
思えばここしばらく、
疲れたとか、しんどいにはすぐ気づくのに、
気持ちいいとか、いい感じを忘れていた。
なんとなく不調って「心地よさを忘れてる」っていうサインだったのかもしれない。
「不快」ばっかり感じて「快」をすっ飛ばしてた
たとえば電車の遅延には反応するのに、
気持ちよく席に座れた日はスルーする。
人に言われたイヤな一言は残るのに、嬉しかった言葉はすぐ忘れますよね。
ネガティブな感度ばかりが上がって、
ポジティブな感度が鈍ってる状態。
もともと、人間ってネガティブに反応しやすいようにできてるのかもしれないけれど。
それが続くと「元気なつもり」でいても、じわじわ心にひびく。
なんとなく不調なとき、私たちは、治す方法を探しがちだ。
でも、実は「もっと感じること」の方が先かもしれない。
「なんとなく不調」は見逃されがち
多くの人が、熱が出たとか、頭が痛いとか、
明確な症状が出たときだけを「不調」と思いがちです。
でも実際には、こんな状態も立派な心と体のサインです
- 朝、起きた瞬間からすでにだるい
- 好きなことへの興味が薄れている
- 食事はしているのに、なんとなく満たされない
- 集中できないのに、ずっとスマホを触ってしまう
- 人と話すのがちょっと億劫
- 布団に入っても、なんとなく眠れない
こうした状態が続いているなら、
それは、ちゃんと不調のサインかもしれません。
感度を整える3つのステップ
私が意識したのは、整えること。
そしてその整え方には、ステップがあると感じました。
① 違和感に気づく
「なんか変だな」「いつもと違うかも」と思う感覚をスルーしない。
些細なことでいいんです。
体が重い、やる気が出ない、朝の空気が違う
その引っかかりを見逃さないことが、はじまり。
② 立ち止まる時間をつくる
立ち止まる=すぐに休む、ではなく、
「一度流れを止めて、自分を観察する」ということ。
・コーヒーを飲みながら10分だけ何も考えない
・お気に入りの音楽を聴く
・ノートに「いま思ってること」を書き出してみる
自分を“今”に戻す時間が、ずれた感覚を整えてくれます。
③ 小さく心地よさを取り戻す
いきなりポジティブになる必要はありません。
まずは、ほんの小さなポジティブを探すこと。
・お湯で手を温める
・お気に入りの服を着る
・空を見上げて、深呼吸する
「気持ちいい」「ほっとする」を思い出すだけで、感度は回復していきます。
朝・昼・夜の、感度リセット習慣
実際に取り入れてみて効果があった習慣を紹介します。
朝:スマホより先に、空を見上げる
外の光を浴びて深呼吸。1分でもOK。
それだけで「今日が始まる」スイッチが自然に入る感覚があります。
昼:無理に頑張らず、余裕を持つ
ランチ中はスマホを見ずに、味や会話を味わう。
移動中はあえて音楽だけにして、思考を休めるのもおすすめ。
夜:1行でもいいから、よかったことを書く
「今日よかったこと」や「気持ちよかった瞬間」を一言書く。
日々の中の“快”を見逃さない感度が高まります。
あなたの心の感度チェックリスト
以下にいくつ当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
- 疲れているのに、休んでも回復しない
- 予定がない日でも、心がザワザワする
- 気づけば、1日中スマホを見てしまっている
- 楽しいはずのことが“義務”に感じる
- 人の評価ばかり気にしてしまう
- 「何がしたいのか分からない」と思う瞬間がある
3つ以上当てはまるなら、少しだけ立ち止まってみるサインです。
今こそ、自分の感度を整えるタイミングかもしれません。
感度を整えた後に見えてきた、ちょっといい変化
感度が整うと、大きな劇的変化が起きるわけではありません。
でも、確かに、じわじわと世界の見え方が変わってきました。
- 朝、窓の外の光を「きれいだな」と思える
- 他人の言葉に過剰に反応しなくなる
- 食べ物の味を「ちゃんと味わえる」ようになる
- 会話の内容より「その人と一緒にいられること」に心が動く
これは、どれも小さな変化です。
でも、その変化に気づけるようになった自分自身にびっくりしました。
焦らなくても大丈夫
「なんとなく不調」を抱える日々は、つらいものです。
何が原因かわからず、自分を責めたくなることもあるかもしれません。
でも、あなたの感度は、ちゃんとあるのだと思います。
ただ、少しだけ鈍ってしまっていただけ。
焦らず、無理せず、
ひとつずつ「自分の感覚」を取り戻す時間を持ってみてください。
- コーヒーを丁寧に淹れる
- 湯船にじっくり浸かる
- 目を閉じて呼吸に集中する
あなたの毎日が、少しずつやさしくなっていきますように。
「元気になる前に、気づけたあなた」を、ちゃんと褒めてあげてください。