医療業界で働きたい人の中でも、ある職種のひとつが「医療事務」。
しかし、「誰でもできる仕事」と思っていると、実際に働き始めてからギャップに悩むことも。
この記事では、医療事務に向いている人・向いていない人の特徴や、仕事に必要なスキル、職場環境との相性などを詳しく解説します。
医療事務に求められるスキルとは？
医療事務は、単なる受付係ではありません。
日々の業務には以下のような専門性と対応力が必要です。
1. レセプト業務に関する知識と判断力
診療報酬明細書（レセプト）の作成は、医療事務の中核業務。
症状や治療に対して正確な算定ができるかどうかで、医療機関の収益が左右されます。
- 病名と処方内容から算定の可能性を見抜く力
- レセコンでの自動計算だけでなく、人的な判断力
- 医師への適切な確認と報告
レセプト知識は、仕事を続ける中で少しずつ身につきますが、「気づける力」「読み解く力」が最初からあると有利です。
2. 丁寧さとスピードを両立できる作業能力
レセプトのミスや会計時の入力間違いは、信用問題にもなりかねません。
特に小規模クリニックでは、受付・会計・保険証確認・電話対応などを同時進行する場面も多いため、
- 几帳面さ
- ミスを最小限にする注意力
- 事務処理スピード
が重要になります。
3. 柔軟なコミュニケーション力
医療事務は、患者さん・医師・看護師・薬局・保険者など、あらゆる人とやり取りをします。
マニュアルどおりにいかないことも多いため、
- 相手の意図をくみ取る力
- 不満やクレームを和らげる対話力
- チーム内での連携
といった、人間関係を円滑にするスキルが必要不可欠です。
4. 基本的なPCスキル（特にExcel・レセコン操作）
業務の多くはパソコンで行います。
WordやExcelはもちろん、レセプトソフト（レセコン）の使い方にも慣れる必要があります。
- SUM関数や簡単なショートカットが使えると◎
- ソフトのバージョンアップへの対応力
- 電子カルテやオンライン請求の理解
医療事務に向いていない人の特徴5選
以下に該当する場合、医療事務はややストレスを感じやすいかもしれません。
1. 会話が苦手で人と関わるのが疲れるタイプ
医療事務の多くは接客業の側面もあり、1日中誰かと関わります。
「できるだけ黙々と作業したい」タイプには不向きです。
2. 失敗を引きずりやすく、気が弱いタイプ
患者対応では理不尽なクレームを受けることもあります。
また、覚える業務が多いため、初期はミスもつきもの。
切り替えが苦手な人は、精神的に疲弊しやすい傾向があります。
3. マイペースで集団行動が苦手な人
医療事務はチームワークの上に成り立っています。
周囲と歩調を合わせられない人は、業務の流れを妨げてしまうことも。
4. 注意力が散漫で細かい作業が苦手な人
カルテや保険情報の入力ミスは、重大な問題につながります。
毎月のルーティン作業でも集中力が必要です。
5. 給料にやりがいを強く求める人
医療事務はやりがいのある仕事ですが、給料水準は高くない職種です。
「頑張った分だけ稼ぎたい」というタイプには物足りなさを感じるかもしれません。
医療事務に向いている人の特徴5選
逆に、以下のような特性を持つ人は、医療事務に向いています。
1. 高齢者との会話が自然にできる人
医療機関には高齢の患者さんが多いため、
話を聞く・寄り添う・和やかに会話することができる人は重宝されます。
2. イレギュラーにも落ち着いて対応できる人
受付中に電話が鳴る、急にカルテ作成を頼まれる、など予想外の仕事も多いです。
臨機応変に動ける人ほど、現場で頼りにされます。
3. 周囲に配慮ができ、協調性がある人
チームで動くため、周囲の状況を察知し、手を差し伸べられる人が活躍します。
また、患者さんに対しても「察する力」が求められます。
4. コツコツ学ぶことが苦にならない人
診療報酬のルールは定期的に変わります。
常に勉強が必要な環境なので、継続的なインプットが苦でない人には向いています。
5. 専門職に誇りを持ちたい人
地味なようで、医療の土台を支える大切な役割。
「目立たなくても、縁の下の力持ちでいたい」そんな人にはぴったりです。
まとめ：医療事務の適性は「人と支える力」
医療事務は、知識・正確さ・人間関係のバランスが求められる仕事です。
決して「楽な事務職」ではありませんが、向いている人にとっては長く安定して働ける魅力的な職種です。
「自分に向いているかも？」と思った方は、まずは医療事務講座や現場見学を通じて、実際の雰囲気に触れてみるのがおすすめです。
