1. 「やりたいことありますか?」と聞かれて困った
就活の時とか、飲み会の何気ない雑談でよくある。
「で、やりたいことって何?」と聞かれるたびに、いつも黙ってしまっていました。
当たり前のように、自分の夢や目標を持っている人がいる。
起業したい。世界を旅したい。マーケターになりたい。人の役に立ちたい。
そんな中で、自分には、これと言えるものが何もなかった。
焦ったり、劣等感を感じたり。どこか恥ずかしくもなったり。
だけどある日、ふと思った。
「本当に、やりたいことってないとダメなのかな?」
2. やりたいこと信仰のプレッシャー
やりたいことがある人が正しいような空気も感じる。
SNSを開けば、夢に向かって努力する人、情熱を燃やして突き進む人がたくさん出てくる。
「好きなことを仕事にしました」「夢が叶いました」「やりたいことを見つけるまで頑張った」
そういう言葉を見るたびに、自分が何も持っていない人間に感じてしまうのだ。
だけど、それって本当に全員に当てはまる事なんだろうか。
誰もが夢中になれることを持っているわけじゃない
ある人にとっては、歌うことが夢かもしれない。
でも、別の人にとっては、ただ「普通に生活できる」ことが一番の幸せかもしれない。
夢がない人にも価値があっていい。
情熱がなくても、毎日を丁寧に生きているだけで、十分立派なことにも感じる。
「やりたいことを探さなきゃ」という焦りが、自分を追い詰めているなら。
一度、そのプレッシャーから降りてみてもいいような。
3. そもそも、やりたいことは変わっていく
人生は、何度でも形を変える。誰かが言っていたような。ヘラクレイトスが「万物は流れる」と言っていたかな。
10代で夢中だったことが、20代ではどうでもよくなったり。
30代になって、急に興味が出てきた分野があったり。
やりたいことって「見つけるもの」ではなく「育っていくもの」だと思う。
いまピンとこなくても、それでいい
周りがキラキラして見えても、それはその人のタイミング。
あなたには、あなたのタイミングがある。
無理に何かを見つけようとしなくても、毎日の中で
「あ、これちょっと楽しいかも」
「なんか、またやってみたいな」
そう思える瞬間が、ふと訪れることがある。
それで十分じゃないか。
4. 「好きでもないけど、できること」も武器になる
もうひとつ、大切な視点がある。
それは「別に好きじゃないけど、まあできること」があるということ。
たとえば、資料作成がそこそこ得意とか。
人に説明するのが苦じゃないとか。
細かいチェックが自然とできるとか。
それは「やりたいこと」とは違うかもしれない。
でも、できることは、社会の中で十分に価値がある。
やりたいことがなくても、できることがある人は、誰かの役に立てる。
それは誇っていい。
5. ある友人の話
こんな友人がいる。
学生時代から夢中になれるものがなくて、就職活動でも
「これだ」と思える仕事が見つからなかった。
結局、事務職として働きはじめたけれど、心の中ではずっとモヤモヤしていたという。
「私、これでいいのかな」
「本当にやりたいこと、いつ見つかるんだろう」
そう思いながら、淡々と毎日を過ごしていた。
でもあるとき、同じ部署の後輩がこう言ったらしい。
「〇〇さんって、本当に仕事が丁寧ですよね。教えてもらうとすごく安心します。」
その一言で、彼女の中の何かが変わったらしい。
「私はやりたいことなんてない。でも、いま目の前の人に貢献できている。それでいいのかもしれない。」
それからは、変に焦ることがなくなったという。
やりたいことがない自分でも、人の役に立てる。
それが、彼女にとっての答えだった。
6. あなたを支えるのは「小さな毎日」
人生って、実は「やりたいことがあるかどうか」よりも、
「どんな毎日を重ねているか」の方が大事なのかもしれない。
早起きして、朝ごはんを食べて、ちょっと疲れて、たまに笑って。
そういう日々の繰り返しが、人生の土台になっていく。
毎日を丁寧に生きること。
心の余白を大切にすること。
目の前の人との関係を、ちゃんと向き合うこと。
やりたいことがなくても、そうやって積み重ねた日々が、
あなたをちゃんと支えてくれる。
7. あなたのままで、大丈夫
やりたいことがある人はすごい。
でも、なくても生きていける。
今、何も見つかっていなくても、何も夢中になれるものがなくても、
それは劣っているわけじゃない。
やりたいことに出会える人もいれば、
誰かのためにできることを重ねていく人もいる。
どちらが正しい、なんてない。
だから、どうか安心してほしい。
やりたいことなんて、なくても生きていい。
そう思える日が、あなたにとっての自由のはじまりかもしれない。