変わることに疲れた私が、少し楽になれた「戻る」という選択

「変わりたい」と思ったことが、何度もある。
もっと社交的に、もっと要領よく、もっと人に好かれるように。そんなふうに思って、自己啓発の本を読んだり、SNSでうまくやってる人を参考にしてみたり。

だけど、どこかでいつも疲れてしまっていた。
努力しても、理想の自分に近づいている実感がないまま、気持ちばかりが焦っていった。

あるときふと「もしかして私、変わろうとしすぎて、自分から離れてるんじゃないか?」と気づいた。


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「変わりたい」って、どこから来てた?

たとえば、誰かの投稿を見て「私もあんなふうにならなきゃ」と思ったり、
上司の言葉に傷ついて「こんな自分じゃダメなんだ」と感じたり。

そんな、変わりたい欲って、よく見ると「比べた自分」や「否定された自分」から来ていることが多い。

もちろん、成長のきっかけになることもあるけれど、
それが続くと、「今の自分じゃ価値がない」みたいな感覚になって、
本来の自分がどんどん遠くなっていった。


戻ってみたら、ちょっとだけ楽になった

ある日、昔好きだったカフェに立ち寄った。お気に入りだった席に座って、何も考えずにぼーっとしてみた。

気づけば、心が静かになっていた。

「こうなりたい」ばかりを追いかけていた日々から、
ちょっと立ち止まって「私、何が好きだったっけ?」と自分に聞いてみた。

そしたら、「書くことが好きだったな」とか、
「一人で過ごす時間が落ち着くな」とか、
忘れていた感覚がぽつぽつと戻ってきた。

変わろうとしたときには見つからなかった安心感が、
戻ることの中にひっそりとあった。


「戻る」って、甘えじゃなくて軸だった

一度自分から離れてみたからこそ、
「戻ってもいい場所」があることのありがたさに気づけた。

無理して変わらなくてもいい。自分を否定しなくてもいい。

本当に必要だったのは、もっとこうなれじゃなくて、
本当はどうありたい?と静かに問い直すことだった。

そう思えるようになってから、
誰かと比べることも減ってきた気がする。


おわりに

がんばっても空回りしてしまうとき。変わりたいのに変われないとき。焦りが強くなるとき。

そんなときは、「変わる」ことに疲れているサインかもしれません。

一度、戻ってみるという選択肢を思い出してもいい。

本当の自分の居場所に立ち戻ることで、
気持ちがほどけて、新しい力が湧いてくることもあるから。

あなたにとっての「戻る場所」が、そっと思い出せますように。

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